先日の上田義彦さんのトークセッションの中で、印象に残ったお話をいくつか。
Q : これはいい写真になる、というのはいつ分かるか。
A : それはカメラの中で起きる。
撮っている時に、あるいはその前からいろいろあってカメラで撮った時に、分かる。
セレクトや、プリントしているうちに良くなるという事は無い。いつもカメラの中で起きる。
それに関連して、いい写真を撮ったというときはもう「これを離したくない」というものを手にしているのだから、プリントするときなどにその瞬間撮った写真(自分がドキドキして撮った写真)を確実に見つけないといけない。コンタクトプリントは助手の方にやっていただいているが、それは初見を大事にしているからという理由がある。パッと観た時に、撮った時に捉まえたもの(これだ!という瞬間のもの)を逃がしたらせっかく捉まえたのに捉まえていないという事だから、初見でその瞬間を見抜き、捉まえて、セレクトして行く。とのこと。
Q : これから撮ってみたい写真
A : 撮った自分も観てドキドキしてしまうようなこころがときめくような写真
(ちょっと言葉が違うかもしれませんが、多分こういうニュアンスでした)
Q : 嫌いな写真とは
A : 時代(の流行りの写真?)とか、なんとなくこんな風に撮ればいいと誰かや何かを
模倣しているような写真。
(というようなニュアンスだったと思います。一日たったのでちょっと記憶があいまいな部分
があって、すみません。)
いやな写真は見ない。
一目観るなり「ああ、あの方の写真だな」というその写真家らしさが出ている写真や
いい写真は観て「いいな」と思う。
Q : 本物と、偽物、っていうことですかね。
関連して・・・自分100%で誰の真似もせずに自分を出して撮れば、自分と同じ人はいないわけだから自分100%の写真になる。というようなこともおっしゃっていました。
会場の人からの質問からもひとつ。
Q : デジタルとフィルムの使い分けはどうされていますか
A : デジタルはドキュメンタリーに向いていると思う。
フィルムは気持ちが先行している写真に。
「嫌いな写真は?」なんて、普通なかなか聞けませんよね!
貴重な機会でした。
対談のお相手の多田さんがお話がうまくて、聞き上手だったのだと思います(さすが!)。
上田さんとは以前からお仕事で何度かご一緒されたこともあったようで、
上田さんも話しやすかったのかもしれないですよね。
やっぱりこの回を選んで大正解でした。とってもためになり、楽しかったです。
(多田さんはいろいろな広告を手掛けられているのですが、
分かりやすく言うと、ペプシの桃太郎のCMです。
ワタシはこのトヨタのハリヤーのCM(※、※※)が格好良くて大好き!
(※をクリックするとCMが観れます。))
お二人ともずっと第一線に身を置く方々。
上田さんは、物静かな外見の中にもものすごいこだわりが感じられました。
お二人ともそこにいるだけで勢いやエネルギーを感じる方々でした。
(何度か書きましたが、聞いたものの記憶を書きだしたので
若干ニュアンスや言葉が違ってしまっているかもしれません。
もしもご本人が目にしない所でもそういうものがあるのは不快かもしれませんが
出来るだけ正確に心がけました。
だいたいこのようなニュアンスだったのではないかと思われます。)