明日は成人の日。
今日成人式が行われた自治体も多いようです。天気も良く、抜けるような青空に20歳のワカモノたちの明るい未来を感じるような日でした。

毎年、サントリーの成人の日の新聞広告のエッセーがとてもいい。
書き手は、昔は山口瞳さん、山口さんが亡くなられてからは伊集院静さん。
読むと熱い血が体の中を流れて目が覚めるような
でもそれだけではない、大人としての先輩の優しさにじんとするような文章です。
うちは新聞をとっていなくて今年のものはまだ分からないので、
最近のものをここに載せてみます。2014年。一昨年の成人の日のものです。

*          *          *

『決心しよう。』

成人おめでとう。
今日から大人と言われても実感はないだろう。
カレンダーの日付けがかわるように人はかわらない。
それでも雪の下のフキノトウのように、オタマジャクシがカエルになるように、
生きるということは、或る日、雲が切れて陽光が微笑むようにかわる。
だがそんなまぶしい時は待っていてもやってこない。
雪がとけたら葉を伸ばすぞ、いつか水から飛んでみせるぞ、という
こころの持ちようが変えてくれる。
こころの持ちようとは、覚悟だ。決心だ。
そこで提案だ。
今日を境に何かひとつ決心し、それを胸の中に刻んで歩きはじめてみないか。
何だっていい。
やると決めるんだ。
君には夢があるだろう。それに向かって進むのもいい。
まだなければ夢を探す機会にすればいい。
その決心に言っておきたいことがある。
その夢は自分だけがしあわせになろうとしていないか。
お金を得ることにこだわってないか。
そういうものは卑しいんだ。覚悟とは、品性の上にあるんだ。
苦しい時、辛い時に、その覚悟と、
誰かのために生きようとしたことが救ってくれる。
生きるということは必ず、苦いものと悲しいものをともなう。それが人生だ。
一日苦しかったな、と思ったら夕暮、一杯のやさしい酒を飲むのもいい。

君の春に乾杯。
伊集院静

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