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通勤の時やちょっとした時間に、
少しずつ少しずつ、小川洋子さんの「ことり」という本を読んでいます。
小川洋子さんの本の世界はとても静かで
だから自分がエネルギー満タンで動きたくて仕方がない時は読めないのですが
静かに充電した方がいい時期に読むと スーッと沁みてきます。

何年か前に沢山読んだ年があって、その年読んだ本の中で特に「猫を抱いて象と泳ぐ」や、今読んでいる「ことり」は静謐な世界で、どうかこのひとがずっと守られていますように・・・と祈らずにはいられない純粋で無垢な人たちが登場します。
それは薄い薄いガラスでつくられたような美しい世界で、絶妙なバランスを保ちながら成立している。
いつかこの静かで満たされた世界が変わっていくのではと心の底で段々心配になってくる。
それはまるで「ボレロ」の曲のように、段々大きな音になってきて、どこかでいつもハラハラしながらその行方を追っている。

みんなと同じ世界にいながらも、その人たちだけの閉ざされた世界で暮らした人たち。
日常からちょっとトリップしてそんな世界に少しだけ足を踏み入れたような、
そんな静謐な世界の存在に気がつくような、
読んだ後何年もずっと考えてしまうようなお話を書くのが小川洋子さんです。

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