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絶対に見逃したくない、と思って、前からずーっと観たかった「クラーナハ展」を、会期ぎりぎり(1/15まで)の昨日観てきました。
間に合って良かった。観れて良かった。
これが観れなかったら多分私は何年も後悔し、落ち込み、クラーナハの名前を聞くたびに自己嫌悪になっただろうと思います。

そんなに好きな、クラーナハ。
どうして?と理由を聞かれたらきっと困る。
理由ははっきりとは言葉に出来ないからです。
でもね、私はずいぶん前から思っているのです。嫌いなことには理由があるけれど、好きなことには案外理由はないことも多いんじゃないかと。
理由はないけどわけもなく好き。そういうのが一番、なによりも気持ちが強かったりすることも、ありますよね。

さて、そんなクラーナハの、初めて目の前で観る、絵の実物。
印刷された書物や、テレビやパソコンのディスプレイでは見えない部分まではっきりと見え・・・。感動です。
一番印象的だったのは、透けるような白い肌の中に熱い血の流れている血管が、薄青く透けて多くの絵で描かれていたこと。
どちらかといえば、言葉にすると“ポーカーフェイス”のような印象の絵の中の人たちに神様が生命が宿るようにフッと息を吹きかけたら、一瞬にして絵に血が通った・・・なんていう神話のような出来事を想像してしまうくらい、その、白い肌に透けて見える薄青い血管は印象的でした。
それから、「ザクセン選帝侯アウグスト」と「アンナ・フォン・デーネマルク」は等身大かもしれませんがかなり大きな全身像が、描写がとてもリアルで、3Dを観ているようで・・・美術館で16世紀の二人に謁見しているような気分になれて面白かったです。実物を観ないと出来なかった経験ですね。

そしてなんといっても、クラーナハの絵の魅力の真骨頂といっても過言ではない、「ヴィーナス」や「正義の寓意<ユスティティア>」や「ホロフェルネスの首を持つユディト」などの絵画たち。
表情といい、姿といい、たまりません。
本当に本当に、観に行けてよかった。

普段は図録は高価なのであまり買えないのですが、クラーナハ展は買ってきました。

(川田喜久治さんがクラーナハの絵画を写真に撮ったものも展示されていたのですが、それもとても良かったです。切り取り方が上手い。いいとこ注目したね~!・・・というところを切り取っていました。)

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