またまた、世界中の真面目な皆さん、ごめんなさい。
今日は1時間ばかり早退して会社帰りに近代美術館のMOMATコレクション(2度目!)を観に行ってきました。

この収蔵展で一番観たかったのはロバート・フランクの写真。
これが、会期中、3度展示が変わるのです。
1回目は見逃してしまったのですが、前回、2回目の展示が良かったので、最後のものも必ず観に来よう、と心に決めてました。
さて今回は、雪の降り積もるマブウ(地名)。
雪道を歩く人の足音、人の息、風の音、冷えた部屋の木の壁の匂い。
いろいろな音や匂いをを想像できます。
やっぱり何かいいです。
なにか特別なものを撮っているわけではないのに。
なんだろうな。解き明かしたいからまた観る。のかも。

今回は、鈴木理策さんがセザンヌがよく描いたサント・ヴィクトワール山を撮ったものと、ホンマタカシさんの写真も観れます。
実はホンマタカシさんの写真の実物を観たのは初めてかも・・・。
二人共、写真のキャプションが最後にならないと読めません。
観終わってから、写真の女の子は実は、とか、この山は実はサント・ヴィクトワール山だと分かるようになっています。なんだ~…とも思うのですが、やはり説明がない中でいろいろ思ったり考えたことは自分のオリジナルなので、自分で考える、イメージを膨らませる、という点でとてもいい勉強にもなるし、おもしろかったです。
鈴木利策さんの山の写真を観ていたら、光に導かれて山の中を歩いているような気がしました。
サント・ヴィクトワール山。南フランスの光あふれる山でした。

それから、今の時期限定で、「美術館の春まつり」と題して桜など春らしい絵も数点展示されています。
船田玉樹の《花の夕》の華やかなピンク色の花を少し遠くからベンチに座って観ていたら、美術館でお花見だ・・・とワクワクしました。木の向こう側には満月も見えます。なんだかとても贅沢な気持ちです。
川合玉堂の《行く春》は、沢山の桜の花が満開に画面に咲き誇り、風で一斉に舞い、絵の中のどこも桜が舞っているのですが、その花びらを見ているといてもたってもいられないような切ない気持ちになります。きっとDNAの中にある、太古の昔からずっと何回も何回も桜が咲き散っていくのを見てきた切ない気持ちが積もってそうさせるのかな・・・と思いました。


(船田玉樹 《花の夕》)

他にも名品が沢山。これでたったの500円。
なんてお得な、MOMATコレクション展。
行って良かったです。
美術館に行って満たされた気持ちになりました。