銀座のPOLA MUSEUM ANNEXで開催中の、「FROM MEDIEVAL WITH LOVE ~中世より愛をこめて~」に行ってきました。
「現代から近世、そして中世…。
時間を遡るほどにファンタジーと化してしまう文明と人間の姿を、
同じ人間としての目線で見つめ直してみたいと思いました。
遠い過去や、遥かな未来、あるいは宇宙や異世界をモチーフにした夢物語であっても、
そこに人が住み社会を作るという意味では大きな違いはありません。
満ち足りた現代だからこそ出来る客観性や優しさがあります。過去を見つめて、
遠い歴史を新しい美術へと変える事が、自分にとっての現代美術です。
中世より愛をこめて、鎧を纏う人々の中に僕達と同じ感情を探してみたいと思います。 」
作家の野口 哲哉さんのあいさつ文も惹かれますが、何よりも実際に観る会場の武士たちの佇まいや表情にくぎ付けになります。
たまたま武士の家に生まれたから武士だけど、戦いの合間にその辺のコンビニにたばこでも買いに行って吸っていそうなおじさんのような武士や、本当は植物の研究でもしたかったんじゃないかと思うような優し気な顔の人。戦いで垣間見たきれいな空の話を、帰ってから妻や子にするのかなと想像したり。鋭い洞察力がしみ込んだ表情に感嘆したり。
集団では〇〇家の武士たちかもしれないけれど、本当は私たちと同じ、普通の一人ひとりの人なんだ、と気づかせて想像させてくれ、一瞬、真夏の東京から草の香りの風が吹く戦国時代にワープするのでした。
野口さんは絵もとってもうまくて、レンブラント風武士の絵や、フェルメール風武士の絵や、中には、背景がフランドルの風景だったり(!)するところに武士たちが地図を広げて頭を寄せて話していたりする絵もあって楽しかったです。
どこかに書いてありましたが、例えばレンブラントやなんかも、戦国の武士たちの時代と生きていた時代が被るとか。同じ時代に・・・と考えると感慨深いし楽しいですね。
楽しいし、涼しいし、無料です♪
9月2日まで。
(今日はカメラを持って行ったのにカメラにSDカードが入っていなかった(!)ため、会場での写真はケータイですが、ほんの少し載せました。本物はもっとずっとかわいかったり魅力的なのが沢山です。)